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設立趣旨

伊勢原市の森林は大山(1251m)を中心に市域面積の37%を占め、遠方からは緑豊かな山に見えますがその内実は目に余る荒廃ぶりです。戦後の拡大造林政策は天然林や里山にまで及びスギ、ヒノキなどの人工林は市域の森林の1/2を占めるに至りました。

ところが1960年代から木材の輸入自由化に伴う国産材の価格暴落により森林所有者の営林意欲が低下し、保育(枝打ち、間伐等)がなされなくなりました。委託事業者の森林組合の施業実績は、林業労働者不足により年間5パーセントに過ぎません。人工林の50パーセントが伐齢期を迎えた今、行き場を失ったスギ、ヒノキは伐採されずに放置されています。

その結果、林床に日光が届かず下草も生えない荒廃が進み、土砂の流出、崩壊などの危険が危惧されています。政府のあの手この手の優遇税制や補助金政策も功を奏さず、森林破壊が進行しています。これは日本中の森林の共通した現象であり、森林の危機ともいえます。

里山は本来人の手が入ることによって適度な環境を維持し、多様な生物が生息する空間を提供してきました。

しかし、薪炭林としての機能、有機農業の肥料供給源としての機能が不要となり放置されてきました。その結果、アズマネザや常緑照葉樹が繁茂し、下層植生の種が貧困になり里地、里山を生息地とする生物の多様性が失われ多くの種が姿を消しています。

二酸化炭素の固定源、地球温暖化防止、生物多様性の確保、水源涵養、水土保全など多様な森林の機能は、その価値は年間20兆円以上にも及ぶと言われています。2001年、林業基本法から森林林業基本法へ、政府は森林の公益性に軸足を移し、対策を進めていますが一向に進行しないのが実情です。

森林荒廃を憂い、二年の準備期間を経て2001年に発足した伊勢原森林里山研究会は、森林の恩恵を甘受する市民として、微力ながら下刈り、除伐、間伐、枝打ちなどの自然環境保全活動を続けてきました。

これは1992年地球サミットにおいて採択された行動計画アジェンダ21の市民版ローカルアジェンダと自負しています。

今後、活動地確保、資金確保、人員確保などの課題を解決し活動を拡大、継続していくために特定非営利活動法人伊勢原森林里山研究会の設立を発起するに至りました。